GOD AND GOLEM, Inc. (はてなダイアリー倉庫版)

2007-2012まで運用していた旧はてなダイアリーの倉庫です。新規記事の投稿は滅多に行いません。

月夜埜綺譚オンライン・セッション「カメラ・オブスクラ」(中編,編集版)

 2007年09月22日にIRCチャットでプレイしたインディーズ・ロールプレイング・ゲーム『月夜埜綺譚』RPGのオンラインセッション、その中篇です。*1

 前編をお読みでない方は、ところどころ補足説明が抜け落ちているところがあるはずですので、かならず前編からお読み下さい。前編前編ですよ。この前編ってところにリンク貼ってますからね。前編ですよー(しつこい)。

 今回は、シナリオ2ターン目。事件の渦中にいるある少女の行方を突き止めるために、4人が協力して月夜埜市内を東西奔走することになります。ルールブックがなくてもリプレイを楽しむための「月夜埜綺譚〈運用〉コラム」も健在です。私がかくのもおこがましいですが、ないよりはマシだと思って一生懸命書いてます。

 ではでは、ご覧下さい。
 次回の「後編」で、このカメラにまつわる怪異譚は、一つの区切りをむかえることになります。

■ターン2.0 火曜日「昼」開始

GM:はてさて。
GM:2ターン・火曜日・昼*2
相沢:あ。
GM:なんでしょ?
相沢:まあええか。おねえちゃんと会話するのは、行動消費?
GM:ああ
GM:会話するだけなら消費しませんよ。
GM:判定するなら消費です。


★月夜埜綺譚〈運用〉コラム12:ターン消費と〈能動判定/受動判定〉
 『月夜埜綺譚』は、〈カレンダーシステム〉によってキャラクターの行動回数が厳密に定められているため、「自由にプレイできないんじゃないか」とか「窮屈すぎるんじゃないか」という印象をもたれることもある。
 しかし、心配には及ばない。実際には、PCは〈能動判定〉(1.5版 p32)をしなくて済む範囲ならば、時間帯の中でいくら動いても構わないのである。月夜埜市内でアクセスできる色々な範囲を動けるし、もし理屈さえ通っていれば、同じ時間帯に街の端から端までを自由に行動させることすら可能だ。「判定しないで他のプレーヤーと一緒についていく」ことさえも、GMが常識の範囲内で認めてしまえば、じゅうぶん可能だったりする。*3もし、それがきっかけで〈受動判定〉(p32)を食らうことになったとしても、それはターン消費には関係がないから安心である。
 『月夜埜綺譚』は単独行動だけでも「情報共有」ルール*4さえ使ってしまえば、直接会わなくても済んでしまう。「でもそれじゃ、同じ人間同士なんだか味気ない」というのなら、ほかのPCの尻馬に乗って色々と動いてしまえばよいのである。一緒に居れば、行為判定を消費しないまでも、何か状況を手助けする行動くらいはできるだろうし、難易度減少の役には立つかもしれない*5。さらには、「判定でやるべき」と思っていたことが、もし演出の範囲で軽く済ませてしまえるのだとすれば、それは状況をローコストで変える「上手な資源管理」とすら言える。
 「カレンダーシステム」には、そういうところでもゲーム的挑戦をする余地がある、優れたゲーム的〈制限〉なのである。その〈制限〉の網目を縫って、PC同士をもっと自由に出会わせてみよう。そして、ゲームの状況を次々と華麗に塗りかえていくのだ。


相沢:半徹って回復したっけ?*6
GM:しません。
GM:ダメージも受けないし、次のターンも普通に動けるけど。
相沢:なら朝にするか。どうぞ。
シバサキ:私も昼まで何もしません。
GM:はい。

■ターン2.1 火曜日「昼」風祭右京の行動(「×w」のまま)

風祭:水曜昼は「×w」ですが、【営業活動の準備として】デジカメ開発部門へ「思い出が写るカメラ」について情報収集できるでしょうか?
GM:よいですよ。>右京さん それならコミュニティの判定も不要でしょう。
風祭:やた!


★月夜埜綺譚〈運用〉コラム13:「×w」や「▲w」の時のエレガントな立ち回り方
 風祭右京のプレーヤー(つまりダースさん)が、ここで「仕事」と「行動」を結びつけて、わざわざ仕事をサボる必要を消失させてしまった。
 これが、「カレンダーシステム」の一番オイシイところである。*7 
「英雄的な活躍をしたい。でも、生活は維持しなきゃいけない。」
 そんなジレンマに襲われたあげく、その結果一挙両得を狙って「えい! 仕事を今の事件とうまいこと結びつけちゃえ!」という、一挙両得な行動を導き出すのが、このゲームでは「エレガントなプレイ」として賞賛される傾向がある。「日常生活を維持しながら、ちゃんと事件に関わる」という、月夜埜綺譚独特の〈目標の多層構造〉*8をうまく満たそうとしているからだ。
 だからこのゲームは、スケジュールが「○」ばっかりの独居老人や異能者ではわからないこともある。RPGにおける〈ゲーム〉の面白さは、単に「自由に動ける」から面白いというわけではない。むしろ、うまい手をひねり出さなきゃいけない〈制限〉がたくさん用意されている方が、〈ゲーム〉として面白かったりするものなのだ。
 そんな〈ゲーム〉の面白さを、〈カレンダーシステム〉はうまい具合に表現している。「生活、これ、ゲーム」である。

GM:一応、手段と、目的をどぞ。
GM:いままでの流れで、わかってきたかと思いますが、目的は、遠大のほうが得です(やりすぎると難易度上がるけど)
風祭:方法:鋭い突込みなどまじえながら、職場のスタッフと会話します。
風祭:目的:昨夜見た写真の情報を収集する
GM:了解です。
GM:それでは、職場・鋭で15ください。


★月夜埜綺譚〈運用〉コラム14:「行動宣言」の2要素─〈目的〉と〈手段〉
〈目的〉と〈手段〉は、「『月夜埜綺譚』の行為判定に最低限必要な要素」(p32)とされている。ほかに、〈動機〉や〈設定〉などもつけくわえることができるようだが、ルール的に判定処理を行うために必要なのは〈目的〉と〈手段〉だけでよい。プレーヤーは、まずこの2つを的確に伝えるよう意識してプレイするのがスジである。
 この2つは、ゲームマスターにとって、以下のような評価をするために必要となってくる。

  • 〈目的〉は、行為判定の「難易度」を決定する基準となる。
  • 〈手段〉は、行為判定の「基本能力値(鋭胆技芸)」と「〈アビリティ〉の種類」をGMが選択する基準となる。*9

 つまり、「職場・鋭で15ください」とゲームマスターが言う時、ゲームマスターはプレーヤーの〈目的〉と〈手段〉をもとに、判定に必要となる「難易度・能力値・技能」をすばやく与えなくてはならない、ということなのである。
 『月夜埜綺譚』では、他のゲームとは違い、プレーヤーに能力や技能を自ら選ぶ権利がない。だからこそ、プレーヤーは自分の望ましい能力値を発揮できるよう、行動宣言を意識的に工夫しようとする余地がうまれる。月夜埜綺譚の行動宣言には、こうした“上達の基準”が用意されているわけである。
 またGMも、このような行為判定の応答がうまくできるためには、難易度のバランス感覚や「鋭胆技芸」のそれぞれの定義、それから〈スキル〉や〈コミュニティ〉などの各種の基本アビリティに関する基礎知識が必要となる。もし月夜埜綺譚のマスタリングをやってみよう! とする場合は、まずはこのあたりの感覚を勉強するつもりでルールブックを読み込んでみるとよいかもしれない──かくいう筆者も、もっと勉強しなければ、と思っている。

風祭:3d6+2+9
【ダイス生成機】:da_ukyo: 10(3D6: 4 1 5)+2+9 = 21
GM:普通の判定ですね。それでは普通に。
風祭:ああ、レイズする場面だったかも?(後悔) 普通で処理してください。
GM:この手の話を持ちかけると、開発部門の人はこんなふうに反応しました。
GM:「写真は、可視光線だけじゃなく、紫外線や赤外線、場合によってはX線とかでも露光するんだ」
GM:「そういうものを使ったトリック写真もあったし、心霊写真といわれていたものがそういうものだったことも少なくない」
GM:「さらに、見るのが人間だからね。三角形が三つあれば、人間の顔と思うのが目というやつで」
GM:「だから、心霊写真のようなものが映ることはあるし、人の目が心霊写真を見つけることもよくある」
GM:「もしも気になっている人がいれば、その人と似た姿に見えてしまうことも、いくらでもあるんだ。」
GM:みたいな
風祭:「おいおい、こんなヨタ話、マジに受け止めちゃ駄目だよ、小林ちゃーん。」と誤魔化しながら、心拍が急上昇w
シバサキ:「人の目が心霊写真を見つけることもよくある」、か。
GM:「だからさ、心霊写真ってのは、その絵を“見つけた”人が作り出すものなんだよ」
GM:「元に、何が映っているかにかかわらず、ね」

GM:まあここまで。
風祭:「俺の心が心霊写真を作っちゃったワケね。」
GM:「怖い心霊写真を見たんだとしたら、きっとそうだよ。なんか気がかりでもあるの?」みたいに軽く笑われます。
風祭:「いやいや、ネタよ、ネタ。」
風祭:「俺ちゃんのブログ、見たでしょ?」と誤魔化す
GM:了解です(笑)

■ターン2.2 火曜日「昼」相沢勇の行動(「/w」のまま)

*** New topic on #月夜埜綺譚 by G_Master: 2ターン・火曜日・昼

GM:他に、昼間行動する方はどうぞ
相沢:はーい。
シバサキ:行動しますかね。どっちさきにやります?>かざねさん
相沢:小学校で、キッズのコミュニティで最近の心霊写真とかのお話を聞いて回ろうかと。異界情報あるし。
シバサキ:いいですね。
GM:よいですね。では、手段と目的をどうぞ。*10
相沢:では、休み時間に、「忘れていた物が写ってる」心霊写真が出回ってるって聞いたんだけど、みんな聞いた事無い? みたいな。
相沢:って。子供は境界人間だったよな?
GM:です。目的は?
相沢:目的か。「写真の話や写真自体の広がりと、実際何を見たのか?を収集する」ってとこ?
GM:了解です。んー、これも鋭かな。
GM:キッズ・鋭で15ください。子ども同士なので、マイナスはなし。*11
相沢:2b3r。1bは体力*12
相沢:3d6+9+3+6-12*13
【ダイス生成機】:aizawa: 11(3D6: 1 4 6)+9+3+6-12 = 17
相沢:どぞ。
GM:けっこうギリですな。
相沢:ダイス目も一緒だしよかった。勝負かけてますから。
相沢:4時上がりなので加速しないと(笑)
風祭:3レイズな小学生のおしゃべりにマジ期待!w
GM:3なので、急加速します。
GM:では。箇条書きで。
GM:・写真の噂は、ここ2週間くらいで急に聞かれるようになった。
GM:・過去の思い出を無理矢理思い出さされるその写真を、都市伝説好きの好事家達は「永遠の写真」と読んでいる。
GM:・形式はポラロイド写真で、像は粗め。月夜埜市の繁華街の写真が多い。
GM:・それを受け取った人が、いきなり泣き出したり、いきなり悲鳴を上げたりしている、らしい。
GM:・どうもそれを追いかけて秘密組織が蠢動している、といううわさもある。
GM:(さらに続きます)
GM:・写真の直接の頒布者は、古ぼけたカメラを提げた、女子高生らしい。
GM:・彼女は、今日、学校を休んでいる。
GM:・昨日銃撃事件があったあたりで、彼女がよく目撃されている。
GM:・また、写真を持って、聞き込みをしてまわっている中年男性の姿が目撃されている。
GM:・こちらは、写真を見たものに共通するという、懐かしいような、どこか痛々しいような表情でいるらしい。
GM:・噂の地域は、月夜埜市にほぼ限られており、市外では写真を見たという話はまだ無い。
GM:・なお、未確定情報だが、女子高生のポラロイドカメラを中古カメラ屋に売りに来たのは、50代の中年女性らしい。
GM:子ども「あたしもあれ見たことあるー。でもあんまりぴんとこなかったな。」
GM:子ども「なんか前に、つらいことあった人しかそういうの見えないらしいよ。」
GM:子ども「でも、あれ持ってる大人って、絶対手放さずに、大事に、持ってるよね。」
GM:子ども「いったい、何が見えているのかな?」

GM:このあたりまで。
相沢:絶対おねーちゃんの死体が見えるな(笑)
風祭:妻に隠れて、あいこさんに写真を譲ってくれるようにTELしなければ!w
相沢:これは情報共有できるかな
GM:もちろん。
風祭:おお、ブログにレスが!w
シバサキ:こらーほぼ羽芝ちゃんで間違いないなあ。
相沢:小学生のくせに携帯なんかもってんじゃねぇ(笑)
星野:キュピーン!(受け取った音)
シバサキ:携帯からカキコですか。パケット定額であんしん操作。
相沢:最近は小学校にネット接続のパソコンがあるのか。
シバサキ:セキュリティ厳しいみたいですが、一応。
風祭:ありますよ、ろくな管理もされていないのが。
シバサキ:あら、自分が見た小学校のはセキュリティ厳しかったな。
GM:意外と妙なサイトが見えなくて、意外と妙なサイトが平然と見えるのだよな。
相沢:高校の頃でもネットにはつながってなかったからなあ。
GM:はてながだめで、mixiはいいとか。(小学校の話ではありません)
風祭:セキュリティは自治体と校長の態度によって激しくまちまちです。
星野:あと、セキュリティ担当の趣味が丸見えです(笑)


★月夜埜綺譚〈運用〉コラム15:ディティール描写の楽しみも、ゲーム性の確保あってこそ。
 このあたりの、現実に足のついた社会事情に関する小話も、なかなか地味に面白いものである。
 『月夜埜綺譚』はあくまでヒロイック・ファンタジーRPGだが、冒険の舞台は現代社会のリアリティにかなりのところを頼っている。そして、そのディティールへの情熱は、こうした「街で起きているリアルな出来事は、今頃どうなっているだろう」と考えることへのささやかな楽しみから発生するのだ。
 物語においてリアリティを過剰に追求することは、しばしばそのシステムが提供しているはずの〈ゲーム性〉をぶち壊す原因になりがちである。TRPGは「非現実」をうまくゲームにするための部品は沢山揃っているのに、剣も魔法も超能力もない「現実」の部品だけでうまくゲームをデザインするような仕掛けを、あまり蓄積してこなかったのだ。それで「日常をTRPGにしよう」といっても、実際にはなかなか難しいものがある。
 ところが、『月夜埜綺譚』でなら、先ほど紹介した「ベット&レイズ」ルールがある。このルールにもとづけば、プレーヤーがそこに「明るいミライ」や「望ましい現実」といったファンタジックな状況を描写する余地を与えるかわりに、「どうしようもなく陰惨でリアルな現実」すらも、安心してゲームの素材として提供することができる。「こんなの現実なんかじゃない」とプレーヤーが思えば、プレーヤーがキャラクターを駆使して、その「現実」とやらを塗り替えてしまえばいい。そこからはごっこ遊びではない。ちゃんとゲームデザインによって体系付けられた、困難な〈ゲーム〉の始まりだ。
 そういう風にしっかりと「みんなで幸せな日常を掴み取る〈ゲーム〉」が担保されているからこそ、ゲームマスターもプレーヤーも、安心して「自分の考える都市のリアリティ」を安心して提出したり、活用したりすることができるのだ。自分の考える郊外の風景をそのまま想像すれば、そのままそれがゲームに有利な要素として働くゲーム──単なる思い付きでは終わらないレベルで、こうした行動宣言がゲームデザインされているゲームは、とても珍しい。
 こうした「現代社会」のデザインに関するバランスは、『月夜埜綺譚』ならではの独特な感覚であり、こればかりは一回プレイしてもらわないとわからないものかもしれない。私が星の数ほどあるRPGシステムの中で、いささか熱を入れすぎなのではないかというくらい『月夜埜綺譚』に惚れているのは、「ヒロイックなゲームでありながら、あくまでそのゲームの素材は日常感覚と地続きでいられる」という、ほかのTRPGには決して味わえなかった“新しい感覚”があるからなのだ。
 そんな不思議な感覚を、『月夜埜綺譚』ではとりあえず〈街系〉と呼んでいるようである。

■ターン2.3 火曜日「昼」シバサキヨウの行動(「▲w」→制限解除判定で「○」)

GM:さて、次の方の行動。
シバサキ:じゃ、動きましょう。
GM:ほいです。
シバサキ:まず先に目的を。
シバサキ:目的:昨晩、羽芝ユウがどのように事件の中心に関わっていたかを調べる。
シバサキ:で、手段の方の行動宣言を若干工夫します。
風祭:そういえば、昨夜も発砲騒ぎがあったんですね。
GM:ありました。
GM:昨夜も、というか、昨夜ありました。
風祭:あら失礼。何か前にも発砲騒ぎがあったような気になってました。
シバサキ:手段:まず、現在繁華街の方で働いている「昔失踪した友達、の彼女」とコンタクトを取って、昨日繁華街で起きたことを《弁論》で根掘り葉掘り聞き出します。その際、昔、友人が失踪したときも、何か幽霊がらみの話をしていたな、と昔のことを思い出しましょう。
シバサキ:心霊的なるモノの正体、かな。けっこう侃々諤々の議論となります。ファミレスの片隅。幽霊的なるモノを二人で論理的に導き出そうとします。
GM:なるほどです。ところで、火曜日「昼」ってカレンダー制限大丈夫ですか?
シバサキ:あ、そうだ。それなんですよね。「▲w」です。
シバサキ:1d6
【ダイス生成機】:Shibasaki: 6(1D6: 6) = 6
GM:仕事はありませんでした。売れてないね(笑)*14
シバサキ:OKです(笑)1〜3だったら、スタジオに呼んで話す予定でした。そうすると【+3】修正くるんだよねー。
星野:(笑)
風祭:サボってないで作曲せいよ、シバサキw
シバサキ:いやあ、こういう珍奇な話に首突っ込むのも芸の肥やしよ(笑)。
GM:ではあらためて、弁論・鋭で15ください。
シバサキ:さて。こんどは資源管理だ。弁論・鋭で【15】か。
風祭:新曲「写真のクラヤミから誰かが覗いてる」のリリースも近そうだw*15
シバサキ:弁論+鋭の基本値が7+3で【10】だから、5B4Rで進めるか!
風祭:うお! すげえアグレッシブ!
GM:マジか(笑)
星野:弁論4レベルもあるんですね。
シバサキ:コネとコミュニティって並行使用できましたっけ?
GM:できません。
風祭:成功したら、新しいメロディまで聴こえてきそうだ!w
GM:ところで、ベットの上限は、レベルだから、「3」ではないかい?
シバサキ:あ、なるほど。そうか、3Bまでか。
GM:まあ3の3はいけそうだけど。
星野:いや、3でじゅーぶん強いから。


★月夜埜綺譚〈運用〉コラム16:ベット数の上限について
 シバサキのプレーヤー(つまり高橋)は久しぶりの月夜埜ですっかり誤解していたが、〈ベット〉のために消費できる数値は、その行為判定に使われる〈アビリティ〉の上限値である。
 シバサキの《弁論》技能は【3】なので、ベットできる段階も「3B」までとなる。その一方で、〈レイズ〉の方には際限なく段階を上げられるので、「3B4R」でも別に構わない。しかしこれだと、判定修正は「+9−16」で【−7】修正がつき、成功すら危ぶまれてくるが……。
 結局シバサキのプレーヤーは、「弁論」をその場で全部使い込んで、「3B3R」で挑戦することにした。

シバサキ:じゃあ、3B3Rくらいにしちゃうか。もうちょっとほしいけどなあ。
GM:【8】以上。危険は危険。
風祭:メロディに乗せて話して【技】にするとか?w
シバサキ:それじゃラッパーだ(笑)
シバサキ:むう、行動宣言はもうしちゃったので、巻き戻せないんだよな。じゃ、3B3Rでいきますか……不安だけど。
風祭:つ「写真のクラヤミから誰かが覗いてる」ww
GM:どぞ!
シバサキ:えいやっ
シバサキ:3d6+3+9-12*16
【ダイス生成機】:Shibasaki: 10(3D6: 3 4 3)+7 = 17
シバサキ:出たー!
風祭:せーふ!
GM:でましたね。
シバサキ:タイトルは「あだゆめ」っつうことで。
風祭:メロディ聴こえたんだw
星野:(笑)
シバサキ:では、ファミレスで話しているその彼女はカツミさんというのですが。
シバサキ:カツミさんが昨日起きたことをいろいろ教えてくれますよ。
GM:はーい(笑)
GM:カツミさん、どうも事件をかなり近くで目撃していたかもです。
GM:というわけで
GM:レイズ3なので内容が多いので、また箇条書き。
GM:1・発砲事件の顛末
GM:・噂になっている写真の少女に声をかける怪しい男(CTP?)
GM:・写真を見たとたん、恐慌状態になり走り去るCTP
GM:・それを見ていたユウちゃんは、なにかに確信したような様子で走り去る。
GM:・漏れ聞こえる声は、非常! 非常! 非常!・・・

シバサキ:聴いた話と一致するな。
GM:2・心霊写真とはなにか
GM:・一般的な定義はともかく、ユウがもたらすそれは、なんらかの追憶を巡るものである。

シバサキ:「そもそも心霊写真というものはね、記憶なのよ」
シバサキ:「記憶?」
シバサキ:という感じで語りだすわけだ。
GM:・もともと写真は人の記憶を喚起し、映像ではなく、組み合わせとして信条に訴えるものだが
GM:・彼女の写真はそれが特に強く、つらい過去を持っている人ほど過剰に反応してしまうらしい。
GM:・どうも、そういう写真が撮れるようになって、うれしくて人に見せまくっていたらしいのだが、
GM:・今回の件で怖くなってしまったようでもある。
GM:・こういう写真が撮れるようになったのは、
GM:・2週間前に、いまのポラロイドカメラを手に入れてからのこと。

シバサキ:じゃあ、その話をうけて、「それはどこぞの婆さんが売り払ったモノだって聞いたような気がするな」
シバサキ:中古カメラ屋だったか。
GM:カツミ「そう。これがもし異常な事件なのだとすれば、もしかすると、ユウちゃんは巻き込まれたのかもしれない」
シバサキ:「巻き込まれた?」
GM:カツミ「カメラを手に入れてしまうことによって、カメラの状況の中にあるかもしれない」
シバサキ:「面白い比喩を使うな」。カメラの状況の中、ね。
GM:まあそんな感じで、
GM:最後にカツミさんは教えてくれるのですが、ユウちゃんは、昨晩から家に帰っていないようです。
GM:ここまで。
シバサキ:失踪中だ。
星野:(ちなみに、非常!非常!…のくだりは、情報共有してないですよ。てかできません。笑)
GM:(うはは)
シバサキ:「お前の時とおんなじじゃないか」とか言っておこう。
星野:ひでえ!
GM:カツミさんは、両手を広げてため息をつくのでしょうね。
シバサキ:(正確には「お前、の失踪した彼氏」も心霊がらみで消えた、ということで)

■ターン2.4 火曜日「昼」星野華実の行動(「▲w」→制限解除判定で「○」

シバサキ:あ、今の話情報共有OKですよ>ALLしっかり「風祭・漢の掲示板」に書いておいた。
GM:さて、もう一人。
GM:行動があればどうぞ。
星野:とりあえず▲なので
星野:1d6
【ダイス生成機】:hoshino: 4(1D6: 4) = 4 *17
GM:自由ですね。
シバサキ:自由ですねー。
星野:自由です。なので
風祭:がんばれ、おばちゃ…もとい、おねえさん!
星野:(ぴき)
風祭:さんきゅ…あ、やばい!
星野:情報はあらかた集まったようなので。あ、そのまえに…いや、それはいいや。
風祭:おさまったみたいw
星野:ストレートにユウちゃんを捜すか
星野:あいこさんと連絡が取れるかも気になっています
シバサキ:これと他の2人(三上さんと有沢さん)がどう関わってくるかも気になるが、まずは羽芝ちゃんだねえ。
星野:って、星野さんはユウちゃんの顔はわかります?
GM:んー、たぶん。情報共有で気づいた、でいいんじゃない? 知っている、か。
星野:シバサキさんから写メでも見せてもらったのでしょう(笑)
シバサキ:撮ってたのか、オレ(笑) ちょっと危ない33歳だなあ。*18

GM:それでよいとして。どうするかね。
星野:んでは、発砲事件があったあたりで、ユウちゃんの目撃情報を捜します。繁華街があれば便利だけど、ないので取材か雑話かな?(きっと二人のツーショット)
GM:目的をどうぞ?
風祭:どんな写真だったのかは、怖くて聞けない!w
シバサキ:オレも怖くていえない!(笑)
星野:では、街の人たちにポラロイド写真を見せていた女の子がどこにいたか、どっちの方向に行ったかを聞きます。
GM:ユウちゃんを探す、という方向で?
星野:です。できれば雑話で。取材でも。
GM:雑話・鋭で15ください。
星野:15ですね。2ベット2レイズで。3レイズいきたいけど、今の手持ちじゃ無理なのです(泣)
星野:3d6+8+2+6-8*19
【ダイス生成機】:hoshino: 8(3D6: 3 3 2)+8+2+6-8 = 16
GM:成功ですね。
星野:(3行かなくて良かった。汗)
相沢:ってか失敗しないね(笑)
GM:ダイス目があまり暴れてません。まあ、いまのうちによい状況を作っておいてくださいよ(笑)
GM:それはさておき。では、街で聞き込みをしていく、すぐに場所は絞られていきました。
シバサキ:(雑話が2なのかなー)
風祭:2レイズってことは会えた!?
GM:発砲事件から彼女はいろんな場所を走り回っていたようですが、気がつくと、いつもぼっとしている、繁華街のビルの中にいました。
GM:星野さんが聞き込みの情報を元にビルに入っていくと、奥の方の真っ暗な部屋で、ユウちゃんが、うなだれて座っています。
シバサキ:(まさに“暗室”か。)
GM:少しおびえた目で、ユウ「だ、誰?」
風祭:おお!<暗室
星野:「はじめまして。ちょっとお痛が過ぎたみたいね」
星野:エージェントの顔っぽく、にっこりと笑います
シバサキ:(カッコいいよ姐さん!)
星野:「でも、私は事を荒げたくないの」
GM:ユウ「あたし、写真撮ってただけなんだけどな。で、人に見せたらすごく感激されて、嬉しかっただけなんだけどな」
星野:「それが、どんな結果をもたらしたかは、自分でわかっているわよね? あなたが持ってるカメラを渡してくれてたら、見逃してもいいわ。でないと」
星野:「あなたにこれから何が起こるかわからないわよ?」
星野:(でも、実はこういう系の交渉はもっていない罠)
シバサキ:(姐さーーーーん!(笑))
GM:星野さんが言うと、ユウちゃんはおびえた顔をします。
GM:ユウ「で、でもこのカメラすごいんだよ? 人が忘れていたことまで映し出せるんだって、いつかあったおじさんが言ってた…」
GM:そこで、ユウがカメラを星野さんに向けます。どうしますか?
風祭:つ【Vサイン】
星野:戦闘系とか力動で、相手を押さえる事はできる?
GM:できますよ。やるんなら、相手は素人なんで判定はなしでよいです。
星野:なるほど。でも、あえて撮られておいても楽しいかも。
GM:としていると、彼女はシャッターを押します。
シバサキ:ポラロイド強いな。
星野:強いな。
GM:強い閃光とともに、ポラロイドから、べーっと写真が出てきました。
GM:ユウ「ねえ。これ見てみて。お姉さんには、何が見える?」
GM:見ますか?
星野:見ますよ。
GM:では自己・芸で23をお願いします。
シバサキ:難易度+2段階か……
星野:1ベットしときますか。
星野:3d6+7+3+3
【ダイス生成機】:hoshino: 6(3D6: 2 1 3)+7+3+3 = 19
星野:ちょw
GM:じゃあ4点ダメージと、


★月夜埜綺譚〈運用〉コラム17:高い難易度の判定
 心霊写真の能力がオープニング・シーンよりもさらに一段階(つまり【+4】)上昇し、難易度【23】の大台に乗り出しているのであった。
 こういう風に、「異能」に関する事態が着々と進行しているのを表すために、難易度をさりげなく上げておくのは、ゲームを盛り上げる役に立つ。プレーヤーも焦り始める。*20特に音声コミュニケーションを取っているわけではないオンラインセッションでは、こうした数値上のさりげない変化も、重要な意味をもつ。

GM:星野さんの様々な過去がよみがえってきて…星野さんにとって、忘れられないものは、どんな感情を持って触れられるでしょう。
GM:泣いてしまうか、怒り出すか、恐怖に震えるか。

星野:何となく怒り出す。かなー。(実は重傷域まで後3点なんですが、どうしたらいいでしょう?笑えない。やばやば)
GM:星野さんにわかることは、そこに映っているものが、すごく大事だ、ということです。そしてその写真は、一時的に星野さんの宝物となりました。
GM:ユウ「これでも、壊さなきゃ、だめ?」

*1:「同人」と書いたとたんにスパム・トラックバックが尽くようになったので「インディーズ」としました。

*2:この記述がわからない人は、ちゃんと前編から読みはじめましょう。

*3:遠出とは言わないまでも、数キロの範囲内をちょこまかと移動したいときに、エレメントに《自家用車》や《オフロード》など、小回りの効くアシがあれば、GMもけっこうヌルめに判定してくれるかもしれない。

*4:「情報共有しました」といえば、ロールプレイでキャラクター同士が会議している状況を描写しなくとも「情報が伝わった」と考えてよいとする処置のこと。月夜埜綺譚では単独行動で情報を探すことが自然と多くなるため、このルールを使うことでゲームの重さを軽減している。

*5:そうすれば【−3】修正の儲けだ。

*6:これは〈生命点〉のこと。睡眠すれば【1+追加ボーナス】のぶん回復する〈生命点〉だが、「夜」の時間に少しでも動くと回復しない。ベットなどでちょっと頑張っていたりすると、半徹するかしないかが生死の境目を分けたりする時も。気をつけよう。

*7:二番目は、「サボったり夜中に外出したりするいいわけをひねりだす障害になることだ(笑)。

*8:これには大まかに4種類ある。詳しくは前編を参照のこと。

*9:なお、ここでプレーヤーは直接自分の〈アビリティ〉や〈エレメント〉を宣言することができるが、説得力がなければほかのより不利な技能に置き換えられたり、却下されることもある。

*10:コラムで述べたとおり、ここでも〈手段〉と〈目的〉が問われている。GMはとりあえずこの台詞で「それには行為判定が必要だよ」という意図を伝えるとよいかもしれない。

*11:大人と交渉する時の不利な修正【−4】も、子供同士なら受ける心配がない。

*12:体力を【8】消費することで、「1B」を購入することができる。ちなみに体力で2Bもやったら、だいたいのキャラクターは重傷で動けなくなる。しかし、子どもはなんと、体力回復については異常なほどのアドバンテージを持っているのだ。なにしろ相沢は、1日普通に睡眠をとれば【5点】も回復するのだ。だから、こどもはルールを駆使した戦術として、「ガンガン体力をベットに費やして冒険し、夜はよく眠る」ということを念頭に置いた方がよいのである。いかにも育ち盛りの、子どもらしい生き方だ。

*13:3d6+【鋭9】+【キッズ3】+【3B2R(+6−12)】で判定。

*14:1d6で「4〜6」が出ると仕事はなし。カレンダーは「○」となる。詳しくはカレンダーに関するコラム(前編に掲載)を参照。

*15:註:ダース×高橋のプライベート・トークで出した冗談タイトルの名前。

*16:3d6+【弁論3】+【3B3R(+9−/12)】

*17:これも「▲」→「○」。

*18:ほんまね。

*19:3d6+【鋭8】+【雑話2】+【2B2R(+6/−8)】で判定。

*20:というか、焦りました。