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第二回電奇梵唄会、終了

 2009年06月14日(SUN)午前00時30分より、新宿ロフトプラスワンで行われた『護法少女ソワカちゃん』のイベント、『護法少女ソワカちゃん第二回電奇梵唄会――如是我聞 核的窮理はくちょう座X-1』に、トークスタッフの一人として参加してきました。
 トークには「さくしゃさん」ことkihirohitoさんだけでなく、漫画評論家伊藤剛さん(id:goito-mineral)、まとめサイト管理人のsaltydogさん、ネット空間で世界一(いや、伊藤先生と一、二を争って)ソワカちゃんを熱く語る論客monado(id:leibniz)さん、トーク進行のnamakさん(id:anachrism)、『ソワカちゃん』のDVD制作に関わっていらっしゃる磯村英司さん、また飛び入りではJ.A.シーザーなど20世紀後半からのサブカルチャー音楽に詳しい宇田川岳夫さんなどが登壇され、大いに盛り上がりました。
 また第三部では「管尾マク」ことlopeさん、『天狗探偵マローラモ』のヴォーカルでおなじみアーサーさん、百想皇帝ライカPによるライヴ演奏(しかもアコースティックではなく、ライカPのRoland打ち込みによるバンドサウンド・アレンジでした)があり、それからさくしゃさんへの質問コーナー、じゃんけん大会などが催されました。*1

 私は檀家さん(これ。)の格好で登壇し、宗教ネタから『ソワカちゃん』世界を整理するという評論芸を試みたり、アンケートを(厳密な「社会調査」として分析するまでには行きませんでしたが)傾向についての仮説を語ったりしていました。あとは伊藤先生の講義を一生徒としてメモしまくったり、途中さりげなくポメラを持ち込んだりと*2、一参加者としても色々やっていたように思います。
 発表については(プロの伊藤先生がサポートについているのが心強かった一方)基本的にはアマチュア有志によるものなので、自己満足な展開になるのではないかと大きな不安もあったのですが、結果的には「土曜深夜に決行するアマチュアトークイベント」とは全く思えないほど、多くの方に楽しんでいただけたようでした。スタッフ一同、手応えを感じると共に、びっくりしてもおります。ご来場の皆さんには、本当に感謝の気持ちで一杯です。
 特に私自身、「スライドでしっかり準備したほうが良い」という伊藤先生の助言や、司会進行兼タイムキーピングを担当するnamakさん、トーク部リーダーのmonadoさん、それからイベント全体のリーダーであるsaltydogさんそれぞれの援助がなければ、準備万端で臨めなかったと思います。また、それぞれ対面での打ち合わせ時間がなかなか取れない中、MLやSkypeTwitterなどでの継続的な連絡手段があったことも、本当に助かりました。UST、ニコ生なども、直前まで成功するかわからなかったのですが、最終的に安定してストリーミング再生ができて、安心しています(註1参照)。2009年の今ある環境だからこそ、為しえたことが沢山あるのではないかと思います。
 イベント全体の反省や今後の展開については、今後またスタッフ同士で話し合うこととなりますが、まずは取り急ぎ、御礼の言葉を述べたいと思います。
 来場いただいたお客さんに全身全霊の感謝を。ありがとうございます。USTREAM.TVやニコ生で関心を持って見てくださったオンラインのファンの皆さんにも、御礼を申し上げます。ゲストの伊藤さん、宇田川さん、磯村さん、お忙しい中、本当にお疲れ様です。何よりkihirohitoさん、saltydogさん、それから梵唄会スタッフの皆さん、お疲れ様でした。
 分析的なことは、のちのち、第一回梵唄会に引き合わせて下さったid:mallionさんに一年遅れの贈り物として考えている「梵唄会通観(第一回&第二回)」に書かせていただきたいと思っていますが、今回のエントリでは、第二回梵唄会で感動したことを一つだけ取り上げてみます。
 今回特別にオンエア(ニコ生で&USTで、ですが(笑))された、ソワカちゃんDVDの修羅礼賛Remixのサウンドが、もうとにかく素晴らしかったんですよ。私は伊藤先生や宇田川さんのようには80年代パンクの文脈には詳しくないのですが、「さくしゃさんが一人ではやりそうにない、おしゃれーな感じ」を狙った結果、kihirohitoワールドがR&Bとかファンク&ソウルの文脈でもイケてしまうことが証明された瞬間に立ち会えたなと思いました。
 ソワカちゃんをファンク風にアレンジしたらどうなるんだろうということはいつも考えているのですが、自分は音楽の才能をそれほど鍛えてこなかった(加えて今は作曲に没頭することができない)ので、試せるとしても数年後になってしまうなあ、と思っています。

その他の参加者(スタッフ・観客・放送視聴者)からのお言葉、随時追記予定

(強調は引用者(gginc)による)

むしろ「直接見られていない」からこそ盛り上がることが出来る部分もあるのだなあと思った。現地には現地の、生放送では生放送での楽しみ方があると気付けた点でも、今回の配信は少なくとも自分にとって意味があったなあと思う。
プログラム終了後に音声がぶつ切れ始めた時はむしろ皆「イベント本編の間、持ってくれてありがとう」という気持ちだった。画質の荒さも最後の方「スモーちゃんにモザイクかかってるwww」などと、ネタとして楽しんでいる人がいて面白かった。お金を払って時間を割いて会場に行った人とある程度の差を設けられるのは当然だと思っているけど、自分の手が届く範囲で最大限に楽しむことができたことを本当に感謝しています。ありがとうございました。
くまみ,2009.06.15

 ソワカちゃんは、ファンの間にクリエイティヴなひとが多い(プロ・アマ問わず)のですが、将来、昨年・今年ともに「あのとき梵唄会に来ていたひと」から、なんらかの形で世に出るひとが現れるのではないかと思いました。歴史的にいくつか知られている、特異点的なイベントになるのではないかと夢想してしまいます。たとえば、1976年6月にマンチェスターで行われたセックス・ピストルズのライヴみたいな。

42人しか客がいなかったのに、ジョイ・ディヴィジョン、スミス、バズコックスのメンバーがいたっていうあれですね。これは結構まじで言っています。
伊藤剛,2009.06.14

トークの取りまとめ役である自分としては、やたら小難しいことを語る2時間をどう飽きさせずに楽しませるか!という点に注力したつもりです。

わたしのしゃべりや各論の中身はともかくとして、1部と2部がある種のエンターテイメントになっていたとすれば、それで大成功だと思っておりました。なので、いくつかいただいた「4時間半がアッという間でした」という意見が一番嬉しかったです。
monado, 2009.06.14

 確か宇田川さん(この方もシーザー番長ですね)が登壇していたときだったと思うんですけど、さくしゃさんが「音楽はボーカルと、ベースと、ドラムがあれば成り立つ」みたいなことを話されていて、これはシーザーもそうだよなー、とかふと思ったんです。(中略)演劇音楽のようにあくまで場面に付随する音楽だと、瞬間的に捉えやすい音型というか音像というか、の方が印象に残るというのをある程度計算してやっているんではないかなと。そういえばさくしゃさんも昔は演劇をやっていたと。で何が言いたいかというと、シーザークラスタの面々が次々とkihirohitoPの作品に引き寄せられていくのは器楽的なメロディとか、言葉遊びのような歌詞以外にもその音型といか音像にも本能的に引き寄せられているんじゃないかと思ったんです。
百想皇帝ライカP,2009.06.16)

 誤解を承知で極論すれば、今回のトークには緻密な論理の着地点など不要だったのではないかと。構成上濃ゆいテーマを6つも詰め込んでいるのに、それが動画上映込み3時間で終わるわけがない、というのは当初から言われていました。
 学術発表でも何でもないトークショーなのだから、今回はお客さんに楽しんでいただくことが一番。その上で、今回の眼目は「「語って楽しい」ソワカちゃんの魅力を知っていただけたら」ということなので、語り足りなそう、あるいは聞き足りないという感想はある意味ひそかに期待していた通りでした。それはつまり、聞いて頂いた皆様にソワカちゃんを小難しく語る快楽や、まだいくらでも語る余地があることを(再)認識してもらえたことを指していると考えるからです。
 この第二回電奇梵唄会の続きを(反論も含めて)各人の心の中や身内やネットで開催してくれれば、トーク登壇者の一人としては嬉しい限りです。
namak, 2009.06.17

来場者数:1528人
コメント数:14651
ニコニコ生放送護法少女ソワカちゃん 第二回電奇梵唄会」,2009.06.14)

そんなわけで大きなトラブルもなくイベントを終えられたのも皆さんのおかげです。
本当にありがとうございました。
kihirohito, 2009.06.14

*1:オープニング動画は背中Pさんが、また全体の司会進行はmeirinさんとlopeさんがそれぞれ行いました。公式写真撮影は昨年度の梵唄会から関わっている亜樹28号さん、PC管理全体を仕切るのはアヨハタさん、UST担当はhikoさんと椎名みかんさんが担当でした。

*2:何やってるんだよ