GOD AND GOLEM, Inc. (はてなダイアリー倉庫版)

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俵ねずみのロールプレイ論

 なんだか以前のエントリで大変コメント欄が盛り上がりました。
 皆さん、ロールプレイ論は好きなのかしら。
 それはさておき。
 まっとうにTRPGのゲーム性について考えながら、「キャラクターのロールプレイ」をどのように実現するか、という観点の論考を書いた人に、俵ねずみさんという方がいらっしゃいます。
 馬場秀和さんがかつて(90年代末に)批判した「キャラクタープレイ」に関して感情的なだけの不毛な非難が多かった中*1、馬場さんの議論を理性的に受け止め、「キャラクターの人格をロールプレイすることの上達とは何か?」について真剣に考察した、先駆的な論考です。

自分でキャラクター自身の論理的一貫性=「ふるまいかた」を保ちながら遊ぶことへの飽くなき挑戦は、現在の国産TRPGで主流となっている面白さと強く共振するのではないでしょうか。

■俵ねずみ,2002『ロールプレイについての考察』
http://www.river.sannet.ne.jp/rojin/kousatu_roleplay.html

 私事ですが、俵ねずみさんとは、私がScoops RPGに2004年で初めて論考を上梓した時に暫くメールでやりとりさせていただきました。そのときにも大変刺激的なお話を聞かせていたいただき、大変勉強させていただきました。このごろは私自身がScoops RPGに出不精になってしまい、音信もなんとなく途絶えてしまっているのですが、未だにこの人のように理性的に〈意志決定〉と「キャラクターのロールプレイ」を網羅的に論じられた方は、見かけていませんね。*2TRPGが本来持つゲームとしての面白さをいかに崩さずにキャラクターの「ふるまいかた」をゲーム的に構成して行くか、という視点が徹頭徹尾貫かれています。

 今こそ多くの方に読まれるべき論考ではないかと思います。

*1:中でも「細江ひろみ」関連の問題は良く聞きますし、当時巻き込まれた方には同情しますが、Nifty内ゲバを離れてフラットに見れる今の私たちがわざわざそのことを考慮してまでしてキャラクタープレイ批判を評価するのも問題ありです。テクストはテクストとして読まなければなりません。

*2:仮想光線さんくらいでしょうか。