080723_愛羅舞一族釈義―或いは虹の予兆
電奇梵唄会奉納ソワカちゃん雑文祭 参加作品 (第三弾)
※この物語はフィクションです。さらに原作『ソワカちゃん』以外にも存在する翻案元と調整する都合上、本編にそぐわない設定が追加されていますが、あくまで作者様の本編とは何の関係もありません。あらかじめご了承ください。
聖アウスラ学園*1の殺人事件に住職*2が解決を公表しなかったので、そろそろ迷宮入りの噂が立ちはじめた10日目のこと、その日から捜査関係の主脳部は、ツァラトゥストラ卿*3殺害者の追求を放棄しなければならなくなった。と云うのは、数十年前より興り、新世界の神*4とすら云われるまでになった愛羅舞〔あいらぶ〕一族*5の宮に、突如真黒い風みたいな毒殺の彷徨が始まったからであった。
その、「魂の独我論的救済教・大東京帝国」*6通称「ドクガ宮」*7と呼ばれる愛羅舞の宮には、いつか必ずこういう不思議な恐怖が起らずにはいまいと噂されていた。勿論そういう臆測を生むについては、故・東京ビッグサイト*8以北にただ一つしかないと形容される愛羅舞家の建物が、明らかに重大な理由の一つとなっているのだった。その豪壮を極めたシールド工法式の迷宮〔ダンジョン〕を聞き知る今日でさえも、列柱廊や玉座の量線からくる幾何学的な眩暈――まるでエッシャーの騙し絵の中に閉じ込められたような感覚にとらわれ、戻ってくる者はいないとすら言われていた。*9
けれども、 21世紀初頭の建設後に、いくつもの平成仮面ライダーをして乱舞させしめた*10この綺びやかな眩惑も、さすがにその後星の移るとともに薄らいでしまった。今日では、建物も人も、そういう幼稚な空想の断片ではなくなっているのだ。ちょうど天然の変色が、荒れ寂びれたまだらを作りながら石面を蝕んでゆくように、いつとはなく、この宮を包みはじめた狭霧のようなものがあった。そうして、やがては宮全体を朧気な秘密の塊としか見せなくなったのであるが、その妖気のようなものと云うのは、実を云うと、宮の内部に積もり重なっていった謎の数々にあったので、もちろんあのパルテノン神殿を模したと云われる、周囲の壁廓ではなかったのだ。事実、建設以来数度にわたって、怪奇な死の連鎖を思わせる動機不明の変死事件があり……、そういう伝え聞きの尾にヒレがついて、それがドクガ宮の本体の前で、鉛色をした蒸気の壁のように立ちはだかってしまうのだった。
まったく、人も建物も腐朽しきっていて、それが大きな癌のような形で覗かれたのかもしれない。それであるからして、そういった日本新興宗教史上珍重すべき家系を、宗教社会学の見地から見たとすれば、あるいは奇妙な形をした茸のように見えもするだろうし、また、故人であり初代ドクガ教導師の神秘的な性格から推して、現在の異様な状況を考えると、今度は不気味な廃寺のようにも思われてくるのだった。勿論それ等のどの一つも、臆測が生んだ幻視にすぎないのであろうが、その中にただ一つだけ、今にも秘密の調和を破るものがありそうな、妙に不安定な空気のあることだけは確かだった。
その悪疫のような空気は、十月ほど前に初代導師が奇怪な“病死”を遂げてからというもの――後継者の六薫浪流〔ろっくんろうる〕がまだ年少なのと、また一つには支柱を失ったという観念も手伝ったのであろう――いっそう大きな亀裂になったかのように思われてきた。*11そして、もし人間の心の中に悪魔が住んでいるものだとしたら、その亀裂の中から、残った教徒達の思考を戦略的〔ストラテジック〕に判断停止〔エポケー〕させ、思想的犯罪の底に引き摺り込んででもゆきそうな――思いもつかぬ自壊作用が起こりそうな怖れを、世の人達はしだいに濃く感じはじめてきた。けれども、予測に反して、ドクガ教の表面には暫く沼気ほどの泡一つ立たなかったのだが、恐らくそれと云うのも、その瘴気のような空気が、未だ飽和点に達しなかったからであろうか。
否、その時すでに水底では、静穏な水面とは反対に、暗黒の地下流に注ぐ大きな瀑布が始まっていたのだ。そして、その間に鬱積していったものが、突如凄まじく吹きしく嵐と化して、聖家族に従う一人一人の血行を停めてゆこうとした。しかも、その事件には驚くべき深さと神秘とがあって、住職はそれがために、狡智きわまる犯人以外にも、すでに生存の世界から去っている人々とも闘わねばならなかったのである。
ところで事件の開幕に当って、筆者は住職の手許に集められている、ドクガ宮についての驚くべき調査資料のことを記さねばならない。それは、古代魔術資料や中世・近現代思想に関する手稿、それに世界のミステリィと名の付くものに関する彼の偏奇な美術愛好趣味*12が端緒となったものであるが、その――恐らく外部からは手を尽し得る限りと思われる集成には、朋友マローラモが思わずピロゥトークを連発し、いつにも増して万葉面〔まんようづら〕となったのも無理ではなかった。*13しかも、その痩身的な努力をみても、すでに住職自身が、水底の轟に耳を傾けていた一人だったことは、明らかであると思う。
その日――1月28日の朝。生来あまり健康でない*14住職は、あのみぞれの払暁に起った事件の疲労から、全然恢復するまでになっていなかった。それなので、訪れたマローラモから殺人という話を聴くと、「大五郎」を片手に*15ああまたか――という風な厭な顔をしたが、
「ところが二胡堂〔にこどう〕*16、それが愛羅舞家なんだよ。しかも、論理実証主義*17の教義編纂を担当していた猛烈手裏華〔もうれつ・しゅりけ〕*18が毒殺されたのだ」と云った後の、マローラモの瞳に映った住職の顔には、にわかにまんざらでもなさそうな輝きが現われていた。しかし、住職はそう聴くと「大五郎」を口に運ぶ手を止めて不意に立ちあがり書斎に入ったが、間もなく一抱えの書物を運んで来て、どかっと尻を据えた。
「ゆっくりしようよマロ君、あの東京で一番不思議な一族に殺人事件が起ったのだとしたら、どうせ1、2時間は、予備智識にかかるものと思わなけりゃならんよ。だいたい、いつぞやの『はじまりの冷麺事件』*19――あの時こそはメカ沢君の名推理により、支那古代魔刀が単なる水牛刀にすぎなかったことがわかったけれども、ところが今度は、初代導師が死蔵していた、世紀末ウィーン由来の工芸品・愛蔵書コレクションだ。*20その中に、あるいはオーパーツ*21がないとは云われまい……」と云って、『ポパーとウィトゲンシュタインとのあいだで交わされた世上名高い10分間の大激論の謎』*22の他二冊を脇に取り除け、美々しい装幀の一冊を突き出すと、
とマローラモは呆れたように言った。
「ウン、もう稀覯本になっているんだがね。*24ところで君は、これを今まで見たことがあるだろうか」と住職が指先で突いたのは、ドストエフスキーによる『カラマーゾフの兄弟』だった。しかも光文社版である。*25
「これが、独我論を掲げる、愛羅舞家のルーツの一つなんだよ。つまり、愛羅舞の理念が独我論にあり、そしてウィトゲンシュタインが生涯何度も読み耽った*26という『カラ兄』のポリフォニックな問い掛け――これはバフチンの分析でもあったかな*27――、その抽出物が『青色本』なのだ。そこから独我論的世界観を教義〔ドグマ〕に仕立てた親子がそろって、死亡あるいは行方不明と来ている。そして二代目の彼、そう、六薫浪流が行方不明になった後、デブヌル男という異様な、これまでの文脈を断ち切るような後継者*28が現われたのだよ」と住職は、さらにその本の末尾に挾んである、一葉のサラリーマン川柳*29を取り出して暗号解読〔デコード〕を始めたが、一方でマローラモは何度も住職に手渡すつもりだった交換日記*30を出し入れしながら、
「おかげで、ウィーン学派の事は大分明るくなったがね。しかし、今回の殺人事件と愛羅舞家の人々との間に、いったいどういう関係があるのだね」
「とかく分析哲学者は、詩にも箇条を附けたがるからね。僕もドクガの風にあてられてしまったかな。そんなところに神は宿らないのに……」と住職はマローラモの皮肉に苦笑した。
「いや、僕が今言ったことは真実怖ろしい事なんだよ。もし、『青色本』がドクガ宮のどこかに残されているとしたら、毒殺犯をさらに増長させてしまいかねない」
「そりゃまた何故だい。『青色本』と愛羅舞にいったい何が?」
「元来ウィトゲンシュタインという人は、ゴットローブ・フレーゲ*31の後継を呼称したケンブリッジの論理学者たち*32の末弟なんだ。ところが、無謀にもバートランド・ラッセルは、若き弟子ウィトゲンシュタインの手になる『論理哲学論考』の推薦文に多大なる誤謬を書き記した。*33で、結局二人は喧嘩別れと相成ったのだが、ウィトゲンシュタインはその後数十年、一切の哲学をやめて学校教師なぞをしていた。『哲学探究』を記すようになるまで。そして『青色本』にはその空白の時間を取り戻すための思考が収められている。だからマローラモ君、僕等がドクガについて識るために真実調べるべきは、変節の足跡が克明に刻まれた『青色本』にあると云っていいのさ*34」
はたして、この予測は後段に(暗号的な)事実となって現われたけれども、その時はまだ、マローラモの神経に深く触れたものはなく、住職が着換えに隣室へ立ったあいだ次の一冊を取り上げ、折った個所のある頁を開いた。それは、日本の哲学者、濃野詩劇〔のうやしげき〕*35の書だった。
――『論考』は語りの時間性を確信犯的に無視しようとしていた。しかし、語るとは時間的な営みなのである。論理空間の変化はただ時の流れの中においてのみ、示される。それゆえ私はこう言おう。
語り切れぬものは、語り続けなければならない。――
マローラモが読み終った時、住職は外出用の袈裟に着換えて再び現われた。が、またも椅子深く腰を埋めて、折から執拗に鳴り続ける、電話のベルに目を向けた。
「あれはたぶんソワカからの電話だろうがね。今日は水子供養の法事で出かけるかもしれないと伝えているから、居留守をさせてもらうとしてだ。初代導師の行状を、君に話すとしよう。帰国後の愛羅舞博士は、量子コンピュータ開発とアフォーダンス武術と竜脈の科学的解明という三つのまったく新しい分野で成功を収め学位をうけたのだが*36、教授生活には入らず、また技術の使用も一切認めずに、黙々として独我論の布教を始めたものだ。ここで、僕等が何より注目しなければならないのは、博士が〈マサカドインパクト〉後早々に首都圏外郭放水路を占拠したばかりか、皇暦26XX年には*37、占拠後わずか五年しか経たない宮の内部に大改修を施し家族と移り住んだと云う事で、つまり、設計を根本から修正してしまったのだ。その後の博士は、“病死”するまでの日々をほとんどドクガ宮の中で、無風のうちに過したと云ってよかった」と云って、傍らのファイルブックを手繰り寄せ、著名な事件ごとに当局から送ってくる特別葬儀用調書類*38の中から、博士の“病死”に関する記録を探し出した。
「いいかねマロ君、ちょびっと私用でチベット修行した私たちには無用の話かもしれないが、仏教と『魂の独我論的救済教』は、己がもつ智識そのもののありように着目して信仰体系を作るという点では明白に共通しているのだ。だからこそ、そこに潜んでいる“眼に見えない、語りえないもの”*39が、今度ドクガを蝕んだとは考えられないかね」
「それは、ちと空論だろう。それでは独我ですらなく、只の〈無明〉*40ではないか」とマローラモは平安貴族さながらの暢気な声色で、「君の議論は前後の連関が完全に中断されている。むやみに議論をおもしろがっているだろう。それにデブヌル男という輩もまた、愛羅舞の人間ではないのか」
「それはないだろう。聞き知る美青年と彼とではあまりに容姿が違いすぎるよ。彼は外から来た異分子かもしれない」と住職は眼で大袈裟な表情をした。「もしかすると、僕たちの盟友メカ沢が消えたことにも関係しているかもしれない。*41身中の蟲が潜んでいたのか、それとも邪教〔グルグル〕の勢力……」
「フム、相続者の少年が行方不明でなく殺されたというのなら、その話に乗りもするがね……ところで、この資料にある人形と云うのは」とマローラモは問い返した。
「それが、初代導師の妻の記憶像〔メモリー〕さ。青木一家、昭和のこけし職人*42に作らせたとかいう等身の自働人形だそうだ」
住職の愛羅舞家に関する資料は、これで尽きているのだが、その複雑きわまる内容はかえってマローラモの唯識論的本質直感をも混乱せしむほどであった。しかし、住職が歓喜の色を浮かべ口ずさんだところの『問題はその本質において最終的に解決された』*43という科白のみは、さながら夢の中で見る蓮華の花*44のように、いつまでもジインと網膜の上にとどまっていた。また一方住職にも、彼の行手に当って、日本史上空前ともいう異様な陰謀が横たわっていようとは、その時どうして予知することが出来たであろうか。*45
パロディ元
- 作者: 小栗虫太郎
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*1:第六話「虚空蔵からのメッセージ」に出てくる学園の名前。ソワカが訪れた時、そこはグルグルの牙城となっていたが、この物語はそれより前のことである。
*3:原作『護法少女ソワカちゃん』とは無関係の設定/ミッション系高校であるにも拘らず「神は死んだ!」と唱え永劫回帰と拝火思想を唱えた異端の学長理事。何者かに殺されたが住職の名推理によって真犯人が見つかった次第である。
*4:『DEATH NOTE』の有名な台詞「新世界の神になる」より。
*5:ソワカちゃんシリーズのキャラクター「小波旬」の宗教法人における姓を「愛羅舞」という。
*6:哲学における「独我論」を主要な教義として人類の救済を唱えた新興宗教であると思われる。小波旬とその父がリーダーを務めていたが、グルグルによって乗っ取られる。大東京帝国は大友克洋の漫画『AKIRA』に出てくるカルト的地下帝国の名前。
*7:このパロディ小説の元である『黒死館殺人事件』の「黒死館」に対応する。
*8:第十話「機械居士かく語りき」では、グルグル教の仕業により、東京ビッグサイトを中心とする東京全土が〈マサカドインパクト〉によって滅び去った経緯が語られている。
*9:原作『護法少女ソワカちゃん』とは無関係の設定/埼玉県に存在する「首都圏外郭放水路」をドクガ教の本拠地としたものである。
*10:首都圏外郭放水路は、そのパルテノン神殿を思わせる壮大な建築のため、何度も特撮の舞台年使われている。
*12:パロディ元である『黒死館殺人事件』の法水と同様、ソワカパパもだいぶオカルトや美術に詳しい。ソワカパパのオカルト趣味ついては「メリークリスマス in お寺」を、美術愛好趣味については原作1−4話「秘陣閃耀降魔」をそれぞれ参照。
*13:パロディ元『黒死館殺人事件』における支倉検事であるが、マローラモになるとまったくもって意味がわからない。
*14:原作1−1話では、具なしナポリタンスパゲッティを大五郎のつまみにできる真言僧侶の姿が描かれている。確かに健康的ではない。
*15:昼から飲んでます。
*16:ソワカパパのこと。本名が不明のためこのような屋号があることにしたが、むろん本編とは何の関係もないやっつけである。
*17:ウィトゲンシュタインの前期哲学に影響を受けて生まれた、ウィーンの哲学的一派による哲学。20世紀前半に興隆し、その成果は分析哲学に批判的に受け継がれた。
*18:論理実証主義の代表的哲学者の一人、モーリス・シュリックをもじったもの。原作『護法少女ソワカちゃん』とは無関係である。
*19:メカ沢真一の著作『はじまりの冷麺』は、壮大な事件簿であったらしいという勝手な解釈。原作とは何の関係もない。
*20:ウィトゲンシュタインは幼少期を世紀末ウィーンで過ごした。19世紀末のウィーンは文化的爛熟期を迎えていたが、同時に道徳的に退廃していた都市でもあったという。詳しくは『ウィトゲンシュタインのウィーン』などを参照のこと。
*21:歴史的考証と食い違うようなハイテク工芸品とか、魔法の品とか、ナチスの陰謀によって作られたなんやかんやとか、そういうあやしい品物のこと。世界をまたにかけた冒険小説とかによく出てくる。
*22:エドモンズ&エーディナウの著作。科学哲学で重要な貢献をしたと言われるカール・ポパーに対してウィトゲンシュタインが危うく火掻き棒で殴るところまで行ったという有名なゴシップ事件をネタに、当時の思想家たちについてジャーナリストの立場から述べたもの。
*23:中期ウィトゲンシュタインの思想を代表する著作。詳しくはここなど。
*24:日本の出版事情は劣悪化しているようだ。
*25:
*26:ウィトゲンシュタインは『カラマーゾフの兄弟を50回以上読み返したと伝えられている。
*27:ミハイル・バフチン『ドストエフスキーの詩学』について述べたものだろう。
*30:今回は麗子に配達させず直接持ってきたらしい。
*31:アリストテレス以来2000年以上進歩がなかったとも言える論理学の世界に数学的な記述を持ち込み、記号論理学という新たな学問を成立させた哲学者・数学者。代表作『算術の基礎』など。
*32:ラッセル&ホワイトヘッド『プリンキピア・マテマティカ(数学原理)』により、フレーゲ以来の記号論理学における研究が整理された。ウィトゲンシュタインはまさにその仕事が大成したころのラッセルに弟子入りした。
*33:詳しくは岩波文庫版『論理哲学論考』における野矢茂樹の解説を参照。
*34:本当かどうかはわからない。しかし法水と同じノリであることは確かである。
*35:野矢茂樹をもじった。すみません野矢さん。原文は『「論理哲学論考」を読む』の最後の章より。
*36:フォン・ノイマンなみの業績(ノイマン型コンピュータ開発、ゲーム理論、原爆開発)にオカルト要素を振りまいてみた。量子コンピュータはともかく、武術と竜脈で学位は取れないと思う。まあマサカドインパクトがありうる世界だしなあ。
*37:ところでマサカドインパクト後の皇居はどうなったのだろう。すでに遷都していたのかしら。
*38:名探偵ソワカパパはこんなものを当局からもらうようです。
*39:ウィトゲンシュタインの名言「語りえないものについては、沈黙しなければならない」より。
*40:仏教用語。十二因縁の根源とされ、したがって煩悩の根源。無明を払うためには真実の智慧(すなわち悟り)が必要であるという。
*41:〈マサカドインパクト〉によって、メカ沢は消息を絶ってしまっている、ということにした。もしかしたら本編では裏で連絡を取り合っていたかもしれない。そこは作者さんのみぞ知る。
*42:京極夏彦の妖怪シリーズにおけるこけし顔の刑事青木君にちなんでいる。こけしはソワカちゃんシリーズのマスコットキャラクターでもある。
*43:ウィトゲンシュタイン『論理哲学論考』の序文にある言葉。
*44:蓮は、仏教において重要な意味を持つ花。泥沼にも美しい花を咲かせることから、悟りの理想的なあり方としばしば結び付けられる。
*45:その後ソワカパパは、『万延元年のフットボール』冒頭において主人公の親友が自殺したのと同じやり方で、誰かに殺されることになる。なぜそのような殺され方をしたのか、真相はまだ明らかになっていない。