第六世界に虹を架ける―「The Sixth World(第六世界)」における仏教魔術闘争をめぐる一考察
前提
はじめてお越しの方、はじめまして。高橋志臣(たかはしむねおみ)です。
いつもお越しの方、こんにちは。高橋志臣です。ゴーストライターじゃないですよ(言っておかないと自己同一性を信じてもらえないかもしれないので、一応)。
この文章は、「護法少女ソワカちゃん」「会話型ロールプレイングゲーム」「シャドウラン」の3つのマニアックなジャンルを取り混ぜたヨタ話を、友人の石頭さんとMSNメッセンジャーにて行ったあと、そのログに加筆修正して「電奇梵唄会奉納ソワカちゃん雑文祭」の投稿作品としたものです。
この文章はいくつものトピックに関する前提で構成されています。
もし元ネタがわからなくなったら、以下の3カテゴリの情報をお読みになっていただければ、わかることもあるかもしれません。
それでも基本的には置いてけぼりな文章になっています。ごめんなさい魔がさしてしまいました。
- bold;">『護法少女ソワカちゃん』とは?:「ニコニコ動画でカルト的な人気を誇る、架空の仏教魔法少女ものアニメ作品の名前。〈マサカドインパクト〉という魔術的儀式の発動によって荒廃した近未来の東京で日々を過ごしていたソワカは、ある日邪悪なカルト教団「グルグル教」の陰謀によりパパを殺されてしまう。ソワカはパパの死の真相を追い求めて、弟分である小坊主クーヤンと共に冒険の旅に出る。」
- bold;">「会話型ロールプレイング・ゲーム」とは?:「会話と筆記による情報管理を通じて営まれる、テーブルゲーム(アナログゲーム)の一形式。しばしばTRPGと略される。〈ゲームマスター〉と呼ばれる特別な参加者は、「現場のゲームデザイナー」としてプレーヤーに魅力的なゲームを提示し続けることに挑戦し、楽しむ。それに対して〈プレーヤー〉は、それぞれに与えられた登場人物(これを〈プレーヤーキャラクター〉という)同士をうまく動かして、〈課題の解決〉〈役割分担〉〈ロールプレイング〉〈狙いの再現〉の4大目標をバランスよく満たすため全員一致で協力することに挑戦し、その過程を楽しむ。この二者それぞれが相互作用することを〈セッション〉と呼ぶ。この〈セッション〉を高いレベルで成立させること(〈共同ゲームデザイン〉)が、このゲームジャンルに共通する基本的な目標である。」
- bold;">『シャドウラン』とは?:「1980年代サイバーパンクSFブームに伴って1989年にアメリカ合衆国で発表された、〈ロールプレイングゲーム〉のシステムの一つ。2011年に魔法が復活し、エルフやトロール、ドラゴンなどの伝説の神話的生物と共存することになった未来の超高度情報社会において、複合大企業「メガコーポレーション」同士の暗闘を請け負う職業犯罪者「シャドウランナー」の人生を疑似体験することができる。ゲームとしてだけでなく、ヴァーチャルリアリティ、サイボーグ技術、差別問題のパロディ、犯罪組織の描写、政治的ブラックジョーク、世界の神秘思想に対する考察など、豊穣な背景世界情報が収められたゲームの舞台〈第六世界〉自体を愛好するファンが多いことで知られている。」
それでは、おもいっきり置いてかれてください。
高橋よ、ソワカちゃんならおkなのか。
高橋志臣(以下「志臣」):私は、TRPG(〈ロールプレイング・ゲーム〉)で何か外部から知識を持ってくるという遊び方が、あんまり好きじゃないんですよね。映画、アニメ、漫画、ゲームといった文化に慣れ親しんでいない人もTRPGをゲームとして楽しめるのかどうかを考えた時、そういう遊び方が主流と思われている状況では、競技人口はなかなか増えないんじゃ……って、前にも言ったかもしれませんが。
石頭:それでも高橋さんさ、なんかないの、TRPGでオタクっぽいのを再現したいのって。
志臣:うーん、どうにもないですねえ。……あ、そうだ。『シャドウラン』第四版(SR4)で護法少女ならいいですよ?
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石頭:ええええええええ!
志臣:いやいやいや(笑)。
石頭: もしホントにやったらぼくは引くね。いやもうマジで(笑)。
志臣:いやいやいや(笑)。護法“少女”である必要はないですけどね。同じ境遇の〈プレーヤーキャラクター〉ならぜひやってみたい。父親を殺された少女が邪教に一人立ち向かう。一大キャンペーンが成立する。
石頭:そこでGM(〈ゲームマスター〉)であれば血涙流して歯を食いしばってやるね(笑) GMだから(笑)
ぼくはソワカがSR4に出た時点で、「あぁ時の涙を見た」って天を仰ぎみて「ダッシャァッツ」とPLと一戦交えるか、血涙流して歯を食いしばってやるね(笑)
志臣:NPCとしては普通に『ストリートマジック』で作れるんだがなあ。仏教魔術、スペルフォーカス、マジカルグループ、真言★興国。呪物作成ルールまであるよ。ビーム出す金剛杵(バジュラ)も余裕。
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石頭:となるともはやSRでソワカちゃんを再現するしかないね。ちょっと気が狂いそうだけれど。というか、ほかの〈プレーヤー〉どうすんねん。ほかのプレーヤーがどこまでそれに入れるか次第だなぁ。
志臣:いや、私プレーヤーでこれ操る自信ないから(笑)。演技とかじゃなくてね? TRPGにおける演技志向は、特殊な遊び方の一つに過ぎないし、キャラクターと自己を同一化する必要もまったくないですが、それでもソワカちゃんは、別に演技を抜きにしても、行動を想定するレベルで難しいって。
石頭:やれ!(笑)ソワカちゃんをPCで(笑)
志臣:「やれ」ってなんだよ(笑)さっき血涙流すっていったばかりじゃない。ありえないって言ったばかりじゃない。なんだ、ノリノリじゃないか(笑)
石頭:君がPCでソワカをやるんであれば、GMは何がなんでもやるものなのよ。GMはおよそ考えられる、そう、ありとあらゆる無理難題をなんとかまわすのが仕事だ(笑)。
志臣:そのプレーヤーのエゴを、どうやってより包容力のあるGMのエゴで妥当なものとするか、と。〈マスターリング〉への挑戦でもある?
石頭:それでどこまでプレーヤーを満足させられるか、ってのがやはり技量だと思うよGMの。あとは参加者PLのひとたちの……。
第六世界の職業犯罪者(Shadowrunner)、サイバーパンク・ソワカちゃん
石頭:って言うかなんでソワカがシャドウランナー(=企業や犯罪組織の代理として非合法活動を行う、身元不明の職業犯罪者)してんねん。でソワカちゃんって、どんなPCなのよ(笑)
志臣:パパが殺された真相を究明するためですよ。まずね。JIS(日本帝国)の仏教魔術教団の設定から考えるんですよ。……ほら、SNE版はFASAの公式設定を完全に無視していましたが、それでも「平将門の怨霊の話」はあるじゃないですか。それを『Shadows of Asia』(シャドウラン3版のアジア国家群ソースブック)と融合させたらどうなるか。〈マサカドインパクト〉が実はJISにあって、東京が壊滅したのは東京ビッグサイトでネクロノミコンを使った儀式のせいで……というところからアプローチしていくんです。
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石頭:ほほーう。もはやそれは挑戦ですね(笑)。
志臣:いつの時期に新東京が出来たかは公式設定をアレンジしても構わないとしましょう。そして、西日暮里以外が滅亡した東京で、新東京(NEO TOKYO)が作られたわけですよ。その復興期にソワカはパパを失ったと。で、UGE*1やら魔法の復活やらドラゴンが富士山麓に姿を現したとかで揺れているうちに、漢字を5個まで実体化できる、口からへんなの伸びた小坊主が家にやってきて……。
石頭:それブログに流したほうがいいような。多分わかるひとはわかるはずだ。SRユーザーにソワカちゃんネタがどれくらい通じるのかはわからねえが……(笑)
志臣:クーヤンの居た「ちびっこハウス」、類似の例には『アークザラッドII』の「白い家」がありますけど、魔法覚醒者の子供たちを、実験施設に誘拐して囲い込むという戦略はもちろんシャドウラン世界でもあるでしょうね。あと、イニシエイトレベル10超*2のちょいマロな半裸親父がいるわけですよ。究極奥義「唯識論的本質直感」はきっと強化されたアストラル知覚*3に違いないね。ハーレクイン*4の半分くらいは強い。
石頭:それは嘘だ!(笑)
志臣:ごめん嘘(笑)。しかしチベット修行でイニシエイトしたという設定はアリだよね。パパ、ちょいマロ親父、メカ沢新一の3人はチベットで修行した。〈マサカドインパクト〉が発生する三年前にね。ところで、第六世界の中国は2010年代に共産党政権が瓦解して、「広東連邦」「河南」「四川」「陝西」「香港」「北京」ほかもろもろに分かれているんですが、チベットはその最初期に雲がかかって秘境になっちまったそうで。今となっては笑えないユートピア設定ですが。ちょびっと私用でチベット修行というわけには……いくのかなあ、どうだろうな。そもそもラサにまでたどり着けるのか。こいつらどうやってチベットに入れたんだ。それ自体修行。
石頭:なんというかあれですよね、どういう話やればいいのか。『ゲイシャガールウィズカタナ』みたいにしたほうがいいんじゃねえのかなぁ。
志臣:「逆襲」すればいいんじゃないですかね。南アメリカとテヘランとフィリピンも、「逆襲」で書かれてますよね。超自然や魔法に逆襲されるのが第六世界の基本法則。なんせネイティブアメリカンがアメリカのWASPに復讐して北米西部を奪還した世界だ。
石頭:ほー。
さて、ここまで考えるに、マサカドインパクトは嘘でも「パパの友達イニシエイトに面倒見て貰いながら、魔力を高めて国内のカルト教団としのぎを削る魔法少女(ソワカ)とそのお供(クーヤン)」というシナリオは十分考えられる。そこに滅亡したカルト教団の青年(小波旬)がくっついたり離れたり。
石頭:あのさ、その熱意であれです、「SR4でソワカちゃん」とか書いてはいかがでしょうかマジで。結構受けるような気がする。
志臣:『魔術師キャラクターONLYキャンペーン・IN・日本帝国』ですよ。
石頭:いやぜったいそれ記事にしたほうがいいってまじで(笑)。というか既にいまの内容を整形すればいいような気がしてしょうがない。
志臣:ゲームに介入できる〈プレーヤーキャラクター〉の分類はこんな感じでしょうか。ちょいマロ親父とメカ沢先生は強すぎるので抜くとして。
そして敵は、JISで幅をきかせるクトゥルー系教団ですよ。日本帝国の敗北した魔術師たちが、自分たちを不幸な目に遭わせた邪教と対立する。これがゲーム課題の本筋かな。
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石頭:しかしJISはさりげなくクトゥルフに牛耳られていたのか……そうなのかもしれない。天皇はどうなるんだろう。いやインパクトでわかりやすいのはクトゥルフだ確かに(笑)
志臣:JISでクトゥルフでシャドウランですよ。もう魔術暗闘。「真言興国! 日本共産党非推薦! スクラップ&スクラップ! 全てをぶちこわーす!」
石頭:いやそれはそれですごいかもしれない(笑)。なんというか間違いなく新しい方向性であるのは確かだ。
サイバーパンクなシャドウラン、マジカルパンクなソワカちゃん
志臣:ソワカちゃんは、SNEシャドウランが目指せた方向性の一つでもあったと思いますよ。いやマジで。日本のゼロ年代パンクロックはソワカちゃんで決まりですよ。もうこれは“マジカルパンク”と呼ぶにふさわしい。セックスピストルズはもちろんですが、邦楽で言うなら忌野清志郎(RCサクセション)みたいな、言っちゃいけないことなんて関係ないぜってスタイル。それで、ソワカ的な近未来ということになると『もののけ姫』と『護法少女ソワカちゃん』と網野善彦史学が『虐殺器官』『スノウクラッシュ』『電脳コイル』と無矛盾に同居する世界かもなと思って、それなら『シャドウラン』が一番近いだろうかと。
石頭:『虐殺器官』はいいですね。シャドウランはむしろそっちに近い。サイバーパンクSFにオカルトをどう混ぜるかという思考実験として始まってますし。しっかしメリケン人やばいよねー(笑)。
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石頭:また新しいシャドウランのページが一ページ開いたのかもしれない そうなのかー(笑) そうかー?(笑)しかしソワカちゃんの個性がよーわからんです。
志臣:そりゃーもう、ちょっとギャルっぽいところありながら、なんだかんだで正義感発揮するダル系少女です。そしてファザコン。もう圧倒的にファザコン。ママの記憶ない。
石頭:わかんねーよ(笑) 彼女がいったいどんな台詞を吐くのかも怪しいよ(笑)
志臣:「はーい、私ソワカちゃん。ねえねえ、自分にちゃんづけ、イラっとこない?」カロリーメイトとチキンラーメンが大好きなジャンクフード少女。スタッファーシャック(=未来のジャスコ)に通い詰め。「オキアミフードは日本の文化です」
石頭:いろいろな意味で脅威だ(笑)わからん(笑)しっかし高橋さんもまりおんさんも大好きだよな(笑)
志臣:わからんのかー、そうかー(笑)。ソワカちゃんを、カウンターカルチャーとして読み替えるという読みもできるんですよ。作者は右翼ネタが大好きだったり、政治的に色々入れてるわけですが、そこがシャレで成立するレベルで。国産TRPGで言うと、『サタスペRemix+』の「全共闘ファッション」に通じるところがありますよね。あのオオサカの感覚。サタスペは速水さんのイラストが持つカラーが、ヤバいネタもポップさとうまく調和していいわけですが、Kihirohito絵だともうそういう技巧的な部分とは別のところで突き抜けてしまっているしな……。
石頭:いや映像はそれなりに興味深く見ているんですが、なんというか……いままで自分が培ってきた常識=共通認識が音を立てて崩れそう。最もソワカちゃんをあらわすのに適当な単語は「狂気」かと。つーかわけわかんねーよ(笑)あれって下手すると『ねじ式』の世界だよ。下手しなくてもそうか(笑)
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志臣:普通に1−3話「はすのうてな」、ねじ式のパクリっすよ。そういう作者なんすよ。70-80年代サブカルのリフレインとしても見られる。早稲田アングラ演劇っぽいと、私はずっと思ってる。
石頭:なるほど、なんか方向性が似ているような気はする。そして恐ろしいのはそれに膨大なファンがいることだ(笑)
志臣:ソワカちゃんは、「いびつに整理され過ぎたオタク論壇の中で忘れ去られた、サブカルチャーが持つ混沌とした何か」を奪還するものなんですよ!
石頭:ほんとかよ(笑)。まぁ今回ばかりは東氏が理解できない、ってのはわかるような気もするが(笑)
志臣:美少女ゲーム批評なんか、今となっては全然秩序あるじゃないですか、まだ。オタク趣味として把握できるくらいには育ってきている。でもソワカは、パーツが理解できるのに総体が明らかに混沌としてる。何やりたいんだか一見してわからないけど、ビンビン来る。そう、神が宿ってるね!
石頭:そんなところに神は宿らない(笑)
志臣:宿ってるって(笑)。問題は、「いつ」にするか、かな。2070年がいいよねえ。たぶん。クトゥルフ入れてしまえば、かなり「あー、これメタヒューマン省いたら近未来ディストピアとかわんないっすから」とも言える。それはまあ、ゲームマスターのお好きに。差別表現を避ける人は沢山いますし、それでも退魔戦記は面白いはず。
石頭:カルトだ(笑)
志臣:つまり、オカルト戦記として遊ぶ場合のJISの設定を用意して「これ、絶対公式にするつもりないから気をつけてね。取扱注意! まぜるな危険!」として、エルフとかトロールとか、2010年代に生まれた人間の亜種は公式設定通り全部がっつり差別されてることにして。たぶんオークとトロールはスラム街でドクペ飲んでるよね。でもそれ以上に、邪悪な魔術教団がのさばっていて日本帝国はズタボロ。そうすれば、2版時代にでぶ猫さんが提供したJISのような、公式設定と整合はしてるかもしれないけれど、政治性が前景化してることによる遊びにくさのジレンマを、ある程度緩和できる。魔術師キャンペーンなら、やることはむしろ正義のエージェントに近いわけですから。
石頭:英語にしたら、それこそ受けるんじゃねえのかなぁ。
志臣:もう『Year of Commet』で少年天皇が生まれて、政治情勢も変わっているいるわけですから、それも使いましょう。その本では確か、宮内庁にメタヒューマンを優遇したマジカル公安9課(御庭番衆)みたいなのを抱えているという設定があったはず。彼らがクトゥルフ教団を撲滅しにかかっている一方で、民間ではソワカや小波旬みたいな連中が日々邪教と戦っているわけですね。
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石頭:ううむ。もはや自作TRPGでオリジナルにしたほうが……(笑)
志臣:確かに(笑)。でもシャドウランこそ、こういうの楽だと思いますけどね。シャドウランの優れた魔法ルールを活かすには、こういう破天荒なセッティングの方がいいと思う。「政治性の強い世界で、政治的な〈制限/情報〉をシュールなジョークとして楽しみつつ退魔戦記をやる」ができるのは、シャドウランじゃないかなと。で、私はサイボーグ技術や軍事学などについてはあまり詳しくないので、魔術師/ハッカー優遇キャンペーンGMがやりたい。戦争・特殊部隊・補給は石頭GMにまかせた。
石頭:えええええええええ(笑)いや、できるけれど。なに、そういうソワカちゃんやりたいの?(笑)
志臣:「そう言うソワカちゃん」ってなんだ(笑)
石頭:いやだから「戦争・特殊部隊・補給の入っているソワカ」
志臣:いやー、どうかなあ。そうなると「ソワカチーム」自身のゲームスケールとしては不適です。たぶん、それくらい話がデカイなら天皇の御庭番衆ゲーをやった方がいいです。つまりマジカル『攻殻機動隊』。『サイレントメビウス』とも言う。
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石頭:それはそれで面白いかもしれない。
志臣:あとは、日本帝国軍ともののけ姫のガチバトルとかいいよねー。「ダメだ、オッコトヌシは魔弾でも打ち落とせぬ!」どっち側の陣営でも、日本帝国らしくなるとは思う。
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石頭:たしかに(笑)
志臣:で、シャドウランの魔術ソースブックってホント面白いでしょう。私、日本語訳されたSR2版の時代に『GrimoireII』を読んでなかったら、ここまでシャドウランにはハマれなかったですよ。
石頭:あー(笑)
志臣:イニシエイト、錬金術、ゴーレム、自由精霊、呪文自作、汚染精霊、様式の反映。「え、仏教魔術とか五行魔術とか有りなの?」みたいな。
石頭:もうもろに趣味だよね(笑)
志臣:もろ文化人類学。オカルト本に書かれてたこと全部スキルにしちゃいました、てへ♪ みたいなさ。
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石頭:いやよくもまぁあそこまで分析してサプリメント(追加ルールブック)にしたものだ。
志臣:ソワカみたいな混沌とした魔術合戦を、未来日本で、冒険活劇でやるのは、きっとシャドウランの魔術サプリより有能なものはあまりないんじゃないかな。
石頭:魔術サプリの最新版とかはどうですか?感想は。
志臣:かなりいいですよ。3版よりだいぶ整理されました。そもそも、シャーマンでもメイジでもメンタースピリット(導師精霊)を持てるようになりましたからね。2版から続いていたケルトとかドイツ魔術などのメイジ系にそれぞれ別個に用意されていたシンボル、ペルソナなどが、ついにシャーマンの精霊と区別されなくなった。
石頭:なるほど。
志臣:それと、SRの魔術サプリで重要なのは、「タリスモンガリング(呪物作成)」ルールですよね。これが実は、シャドウラン世界で危険な冒険が必要であることと密接な結びつきがある。たとえばアメリカから独立を勝ち取ったインディアン部族は、このタリスモンガリングにおけるオリハルコンやらの魔法的資源も特産品にしてますからね。魔法市場は、重要な世界の関心ですよ。日本では『グリモア』が翻訳されなかったし、そういう魔法産業の事例があまりなかったから、都市冒険以外へのモチベーションがあまり上がらなかったんじゃないかと思う。でも、シアトルからサリシュ・シー評議会領へ出かけて行ったりすると、また違いますよね。同じことがシャドウラン日本でも出来ると思う。SNE日本では、東京以外の、野外冒険に対する設定サポートがあまり出ずに終わってしまったのが残念。
石頭:しっかし、君のなんというか膨大なソワカちゃんへの情熱を生かさない手はないなぁ。ロフトプラスワン、いけなくて残念ね。つーか10分でチケット完売ってどういう人気だ(笑)
志臣:すごいよねえ。
石頭:ううううむ すげえ愛だ 愛を感じる。もうこれで記事書いたほうが(笑)
志臣:じゃあ、えーとね。「第六世界の日本魔術事情を騙る」という記事。で上げときます。
石頭:もうこれをラジオ化したほうがはやくね?(笑)
志臣:USTで?(笑)
石頭:ホワイトボードとかで説明してさ。君がひたすらアナログゲームとソワカちゃんについて語る。
志臣:なるほど、需要があればやってもいいですけどね。
ねえよ。
おちまい。
せっかくなので整形したログを、電奇梵唄会奉納ソワカちゃん雑文祭」投稿作品にしました。
もう一つ考えている、京極夏彦&小栗虫太郎の文体模倣ネタは月末までに頑張ります。
*1:未解明遺伝子発現。2011年に魔法が復活して人間の一部がエルフやトロールといった妖精の姿に突然変異する現象が起きた。
*2:「イニシエイト」とは、シャドウランにおける「上級魔法使い」のこと。普通の魔法使いと、イニシエイトとの間には大きな実力差がある。
*3:魔法の才能を持つものが、現実界とは異なる位相にある魔法的空間「アストラル空間」に同調して、視覚的に情報を把握する特殊な技能のこと。astral sensing 略して assensing とも言う。
*4:神話の時代から生きている老エルフ。世界の秘密を握っている。シャドウラン二版までシナリオ集に存在していたが、三版以降は版権の問題でほぼシャドウラン歴史から姿を消してしまった。