GOD AND GOLEM, Inc. (はてなダイアリー倉庫版)

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Mage: the Ascensionの英語セッション

 先日言いそびれましたが、今年に入ってから『メイジ:ジ・アセンション』を合計二回遊びました。

Mage: The Ascension

Mage: The Ascension

メイジ:ジ・アセンション―日本語版 (TRPG series)

メイジ:ジ・アセンション―日本語版 (TRPG series)

 初めてなのに初回も二回目も英語でやりました。「I try to cast a time spell.」とか「I decided that...」とか、非常にカチコチな英語しか使えていませんが、どちらも非常に新鮮な体験でした。
 また、「ルールがあってなきがごとし」と前評判を聴いていたWorld of Darkness(WoDシリーズも、90年代のデザインとして見つつ、T&TやAの魔法陣のような「ユーザニーズに併せて、その都度データを即時設計する」(ただし、基本的なガイドラインは原則守る)ものとして見れば、「なんだ、(コンセプトデザインを理解した上でなら)想像していたよりもずっと厳密に出来てるじゃないか」と思いました。
 日本語のクセのある翻訳との対応に慣れるのには多少時間がかかりましたが、自分である程度英日対照表を作って解決しました。文語としてはかっこよいと思うんですが、プレイヤビリティはあんまり高くないんですよね。しかも、基本的には英語でプレイすることになっていたので、参考書としては情報追跡がしにくい仕組みになっていました*1
 リアルタイムでMageを読み込んだネイティヴユーザ、日本語ユーザの方々は、魔術書を手に入れた感じでさぞ楽しかっただろうな……。かなり遅れてプレイしましたが、非常に味わい深いものでした。
 ストーリーテラー(=〈ゲームマスター〉)を務めたのは、二度ともネイティヴスピーカーのBさん*2でした。BさんがPCたちの上司として怒りを露にした時は、本当に怖かったです。ああいうのを英語でまくしたてられる時の迫力は、英語ならではでした……。
 また、キャンペーン・セッティングについてのBさんの思想も非常に納得の行くものでした。進行管理の裁量幅の広い海外TRPGの担い手として、プレイヤーのニーズにどう応えて行くかという事を第一に重視しておられました。その、非常に一貫した思想に大きな刺激を受けた次第です。

 英語といえば……id:kilicaさんからArsMagica*3の5版を贈って頂いたり、Mega Traveller*4の原書ボックスが積んだままになっていたり、Shadowrun*5の2版から4版までの原書が積まれていたりするな……。どんどん崩して、ゲームデザインの肥やしにしてゆこうかと思います。
 ちなみに、ArsMagicaのスタッフにはWoDのスタッフが関わっているらしいですね。記憶がしっかりしてないのですが、読み込むうちに前後関係をちゃんと把握しようと思います。

Ars Magica

Ars Magica

*1:これを思えば、日本語訳、カタカナ語、英語原文が見出しに併記されているD&D3e以降の翻訳って、非常に柔軟な活用ができるありがたい編纂方式なのだなーと、ありがたみを噛み締める次第です。

*2:許可は取っていないので、頭文字だけで記しています。

*3:幻想の中世ヨーロッパを舞台にしたファンタジーRPG。PLたちは魔術師職を中心とした〈コヴナント〉という居を構え、その土地のさまざまな事件と関わって行く……という内容だったと思う。たぶん。地理情勢や文化条件自体はヨーロッパなのに、ハイファンタジー要素を外挿できるところが魅力になっている……と思う。たぶん。すみません、これからちゃんと読みます!

*4:SFボードゲームデザインの巨人、マーク・ミラーによる古典的SFロールプレイング・ゲームの拡張版。無印トラベラーにはないルールが色々と追加されている。日本語訳されたボックス版も存在するが、高橋は入手できていない。英語で読もう……。

*5:80年代サイバーパンクSFのムーヴメントに乗って、魔法とハイテクがごっちゃになった21世紀中盤の架空世界で職業犯罪者を遊ぶことが出来るゲーム。1989年に初版が出て、最新は4版。2009年には4版のデータを整備した20周年記念エディションが発売された。20年、いろいろあったねえ……。