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鈴木銀一郎氏がIGDA日本で公演・ワークショップ

NPO組織「国際ゲーム開発者協会(IGDA)日本」は、ゲーム開発者の立場からゲーム研究へコミットしていく組織です。いろんなゲーム関連のカンファレンスに団体で参加したり、また自ら講演やワークショップなどの各種イベントをデジタルゲーム開発者向けに企画したりしています。
 そんなIGDA日本が今回、アナログゲームデザイナーの“長老”として親しまれている鈴木銀一郎さんを、ゲーム開発の講師として招待したそうです。

徳岡正肇,2009,「デジタルゲーム開発者を対象に,ボードゲームのデザインを考えるワークショップ開催。講師は“あの”鈴木銀一郎氏」(http://www.4gamer.net/games/000/G000000/20090622008/ , 2009.06.22).

 確か春にも、IDGA日本ではボードゲームイベントがあり、最近は海外ボードゲームに関心を持つデジタルゲーム開発者が徐々に増えつつあるのかな、という印象です。
 徳岡さんは昔から鈴木翁を追っているライターでもあるので、基本的に鈴木翁の講演には好意的ですけれども、ゲームライターとしての以下の記述は、渾身の一筆になっているのではないかと思いました。

 現状,日本におけるゲームの学術的研究が,世界から見て遅れをとっているのは,多くの研究者や開発者が認めている事実だ。その一方で,「それはそれで構わない,日本は日本人を顧客として職人芸で生きていけばいいのだ」という意見も存在する。筆者は個人的にその意見にあまり賛同できないのだが,仮にそれを採用するならば,過去のノウハウを継承するという作業の重要度はより一層向上するだろう――現実には,学術的研究で遅れをとり,ノウハウ継承においてもつまずいている。
(強調部分はggincによる)

 今後はアナログゲームデジタルゲームを分けて考察していくのではなく、むしろ「デジタルゲーム開発者に対して、アナログゲームの蓄積からどんな提言が可能なのか」を考えていく必要があるのかもしれませんね。明敏なプロは、おそらく20世紀終わりごろからすでに、そういう意識で開発に取り組んでいるはず。