GOD AND GOLEM, Inc. (はてなダイアリー倉庫版)

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シンセサイザー・クロニクル

 六本木の青山ブックセンターで、音楽コーナーを探すと平積みされていました。ついでに周辺ではYMO特集なんかも組まれていたり。
 おまけのシンセサイザーもなんかチープで楽しいんだけど、それより雑誌の内容自体があまりにお得感満載で驚きました。さすが学研、シンセの教科書として良くできてるよこれ。
 これなら雑誌だけでも2000円近く出していい質です。少なくともシンセ初心者の私にとっては非常に“美味しい”買い物でした。一緒にここのページ(文系にもわかるアナログシンセサイザー超入門)を見れば、当分シンセの基礎について悩むことはないんじゃないかと思います。楽譜が読めて鍵盤とギターもそれなりに弾けるけれど、肝心の「音作り」の部分がよく分からなかった自分に欠けていたのは、シンセサイズ技術と共に発達した「音響物理の基礎理論」だったということが、今回のシンセとの出会いでよくわかりました。〈波形〉〈音程〉〈音高〉〈音量〉〈エンヴェロープ〉〈エフェクト〉の6つがどんな理屈で“ツマミ”の形を取っているのか*1、それが分かるようになって、今すんげえワクワクしてます。
 いいなー。電子音楽ファンの人ってこんな風にシンセサイザーを楽しんでいたのか。私はYAMAHAのエレクトーンとそれなりに付き合ってきたつもりでしたが、自分に音楽の楽しさを教えてくれたエレクトーンの仕組みすら碌に理解もせずやってきたんだなと、猛省しています。

 音楽史を実践的に理解するのに役立つ本として、私はいつも

 の3冊を他人にお薦めしているのですが、これに

 を入れてもいいと今回思いました。それくらい、今回のシンセ特集はいい内容です(その程度が巧く伝わらないかもしれませんが、前者2つの著作は音楽理論入門としてとても良い出来なのです)。

 ちなみに内容は以下の通り。

 私からのおすすめは、YMO坂本龍一インタビュー(“大先生”発言続出)、小山田氏の次世代インターフェイスレビュー(未来の楽器について想像力がふくらむ)、ヴィンテージアナログシンセカタログ(基本を知らない自分でも楽しんで読めた)、東京シンセサイザーデートマップ(デートするかどうかはともかく、都内のシンセ売り場が丁寧に説明されている)、そしてなにより氏家克典の非常にわかりやすいシンセ入門です。この4つを手元に置いておくためだけに買う価値はあると思います。

*1:それぞれLFO, VCO, VCF, VCA, EG, Effectに対応