『護法少女ソワカちゃん』
久々に初音ミクの話。
仏教用語をふんだんにちりばめたイカレたJ-POP『護法少女ソワカちゃん』の破壊力が凄すぎます。
昨日友達に「全部見なさい!」と言われて渋々見たんですが、そのセンスに思わず服従してしまい、その日のうちに全部見てしまいました。
友達に服従したのか、作者に服従したのかもはやよくわからない。
■「護法少女ソワカちゃんOPテーマ」
もう初音ミクが萌えるとかそんな領域は一切なく、衒学的なネタの宝庫です。
だってソワカちゃんの父さんの殺され方が大江健三郎『万延元年のフットボール』ってどうよ。*1
他のテーマも色々と面白いところ盛りだくさん。恋愛を自覚した瞬間に「これって立川流?」っていう発言、危険すぎます。*2
■「LOVE or DYE─護法少女ソワカちゃん第4話の歌」
それにしても、この「ソワカちゃん」の作詞のノリ、これって何だか、何かに似ているよな──と考えていたんですが、ようやく思い出しました。
「……そうだ、この語彙センスは『少女革命ウテナ』の決闘ソング集だ」
これの仏教語彙版だと思えばスッキリ納得ですね(本当かよ)。
ところで、アニメ業界の良いところの一つは、J-POPで流通させるにはリスクが高すぎる言葉をふんだんに使って、新しい日本語世界を垣間見せてくれるところですね。私はTVアニメをリアルタイムで見ることはもうほとんどないのですが*4、大手J-POPが取りこぼしてしまいがちな「歌もの」の可能性に挑戦するアニメソングには、常に期待しているところがあります。
たとえば今年の例で言えば、『らきすた』の作詞なんかは、KAT-TUNの『Real Face』でスガシカオが提供した歌詞よりずっと破壊力がありましたね。「→」と「←」の違いはあれど、矢印の使い方に思い切りがあるのはどう見ても後者でした(しかしもしかすると、この場合はスガシカオがあえて『らきすた』よりも先に「→」を使っていたことを評価すべきなのかもしれませんが)。
そんな思いつきはさておき、私が大爆笑してしまった第六話を紹介してひとまず紹介を終えます。後はニコニコ動画で展開しますので、アカウントをお持ちの方はどうぞそちらでもご覧下さい。
これを見ていると、初音ミクもついに「浸透と拡散」の時期に入ってしまったのだなあとしみじみ思います。
■「虚空蔵からのメッセージ─護法少女ソワカちゃん第6話挿入歌」